弁理士試験 H28年 意匠法 論文の問題を見て解き方を考えてみようと思います。
全部解くと時間がかかりますので、問題1だけやろうと思います。
解きやすい問題だけやってるんじゃないかって思われた方、鋭いですね。
ただ、解きやすい問題からどうやって問題を解くのかを把握できたらいいですよね。
問題:
甲は、全体形状が斬新な飲料用のPETボトル(容器)を創作した。
この容器の胴部は、 手で掴んだ際に変形しないよう工夫された特徴的な凹凸形状を備えている。
甲は、凸部の 配置が若干異なる別の容器も創作している。
甲は、これら2種類の容器の製造販売を2年 後に予定しており、それまでは非公開にしたいと考えている。
甲より相談を受けた弁理士 乙は、これらの容器について特許権による保護も可能であるが、意匠権による保護を提案 することにした。
上記事例において、甲の創作対象が特許権と意匠権の双方で保護され得る理由を簡潔に述べよ。
また、甲の創作対象は意匠法によりどのような態様で保護されるか、考えられる 態様を列挙し、弁理士乙が甲に説明すべき各態様のメリットとデメリットを簡潔に述べよ。
https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h28benrisi_ronten/shiken_isyou.pdf
問題の解き方ですが、問題文を読んで、わかることを明確にします。
法律の知識があるかどうかは関係なく、わかること、登場人物。
甲さんと乙さんが出てます。
甲さんは創作者であり、乙は弁理士(たぶん受験生を想定)
甲さんがやったこと
①全体形状が斬新な飲料用のPETボトル(容器)を創作
斬新なとあるので、意匠の新規性、創作非容易性は大丈夫ということを意味している。
意匠で権利を保護できる理由は物品で形、視、美の条件を満たせばよくて、斬新とあるから大丈夫ということになる。
ちなみに全体意匠をとれますね。
デメリット:全体として権利主張
②容器の胴部は、 手で掴んだ際に変形しないよう工夫された特徴的な凹凸形状
工夫とあるので、特許が取れそうです。
そして胴部とあるので、部分意匠もとれそうですね。
デメリット:権利主張がしにくい。
メリット:部分的な特徴について権利取得ができる
③凸部の 配置が若干異なる別の容器
関連意匠をとれそうですね。
関連意匠じゃないとお互いのもので拒絶される可能性があるからですね。
デメリット:本意匠に引きずられる
メリット:類似の範囲も明確に権利化が可能(これにより類似の類似も権利主張ができる)
④2種類の容器の製造販売を2年 後に予定しており、それまでは非公開にしたい
2年、非公開ときたら、秘密意匠のことを言っています。
秘密意匠のデメリットは37③、40ただしです。
メリットは秘密にできる。
わかることを書いていけば、基本的にはそれをまとめればそれなりのことが書けると思います。
わからないことを書かないようにするために普通に考えてみるというのも重要だと思います。
弁理士試験関係の記事はこちらにまとめています。